『メキシカン・スーツケース』を観ました その2

paisaje500©212 Berlin Mallerich Films

映画がクローズアップする終結後の爪痕

映画『メキシカン・スーツケース』は、内戦の身元不明者たちの共同墓地を掘り起こすシーンがら始まります。掘り起こしているのは若者たち。行方不明者たちの遺族、孫たちの世代です。
スペイン市民戦争は50万人もの人々が命を落とし、20万人もの亡命者を出したといわれています。スペイン人にとって「内戦」はまだまだ傷のいえぬ出来事のようで、「内戦」をテーマにしたスペイン映画は今でも毎年のように製作されています。ところが一方では、意外にというべきか、やはりというべきか、国を二分した「内戦」が今日までタブー視され、沈黙が強いられてきたというスペインの(部外者にとっては)知られざる一面が、映画では明かされています。今回発見された戦場カメラマン3人のネガ同様、70年に渡る沈黙をやぶる若者たちの姿に、さまざまなことを考えさせられます。

またスペイン内戦の悲劇は内戦終結後も続いていたという、痛ましい爪痕にも光が当てられます。ひと息つける話題といえば、どこの国も亡命者に対し扉を閉ざす中、メキシコが受け入れたということ。しかし、メキシコに渡ることができたのは、主に社会的地位やコネクションのあった有産階級の人たちであったことがそっと明かされます。知らないほうがよかったのかもしれない「真実の重み」について考えさせられるのです。

つづく

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