夏の到来を告げる、サン・ジョアンの祭

カタルーニャでは、6月24日の祝日“サン・ジョアンSant Joanの日”の前夜祭に、爆竹花火やロケット花火を打ち鳴らす習慣があります。

午後9時過ぎの日暮れを待たずしてバン、バンと始まり、やがて夜空には白やオレンジの光が大きな孔を描いて四方八方に舞い飛びます。その先の屋上からはナイアガラ花火が銀色の光を噴射させ、手前のベランダからは特殊ロケット花火がラセン状になって飛び出すといった状況が、翌朝、日が昇るまで続けられるのです。この夜ばかりは眠ることはできません。また毎年、不幸な参加者の何本かの指が吹き飛んだりもしているのですが、この祭を廃止しようという動きが一向に起こらない人気のお祭りです。

またこの日は、カタルーニャの発泡ワイン、カバと、コカと呼ばれる松の実やザラメを散らした菓子パンで祝います。“サン・ジョアンの日”とその前夜祭、家庭はもちろん、いたるところで開かれる若者たちのパーティーも、この2つがなければ始まりません。

火焙りの祭りともいわれるサン・ジョアン。その出所はどうやら悪名高き魔女裁判。古い家財道具をまとめて焼く習慣が長く続いていたのが、いつからか現在の形になったようです。一年でもっとも日が長くなる日でもあり、夏の始まりを祝う日でもあります。長いバカンスを楽しむ習慣のあるスペイン人たちにとって、夏のシーズン到来を告げるサン・ジョアンの花火の音は、きっと神聖なる「福音」。爆発音と閃光が降る一夜を境に、カタルーニャはいよいよバカンスシーズンの到来です。

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