琥珀色の美酒シェリーについてのメモ

シェリーは、ブドウから造られる「酒精強化ワイン」。スペイン固有の白ワインの仲間です。スペインでは「ヘレス jerez」または、「ビノ・デ・ヘレス vino de Jerez」と呼ばれています。

シェリー飲み比べ800

原産地呼称は、「D.O.ヘレスJerez」、「D.O.マンサニージャ-サンルーカル・デ・バラメーダMansanilla-Sanlúcar de Barrameda」。ヘレスJerez de Fronteraで造られた酒精強化ワインだけが「シェリーSherry」という名をラベルに付けられます。また「マンサニージャ」と呼べるのは、サンルーカルSanlucar de Barramedaで造られるものに限定するなど、スペインの原産地呼称制度で厳格に守られています。

「シェリー」には色も香り風味も驚くほど異なるものがあります。フィノ、マンサニーリャ、ペール・ドライ、ミディアム、アモンテリャド、クリーム、オロロソ、パコ・コルタド、さらにペドロ・ヒメネス、チピオナ(大西洋に面したのどかな村。Sanlucar de Barremedaの隣り)のモスカテルがあり、細かな分類にもシェリーの奥の深さが伺えます。
造り方は通常のワインとは異なり、「他の時代の別の方法で造られた遺産、生き残りワイン」とも「独創的で真似できないワイン」(「スペインワインガイドブック(ICEXスペイン貿易庁1998年発刊)」より)ともいわれています。

シェリーについてもっと知りたい人は

惜しくも絶版となってしまった、中瀬航也さんの名著『シェリー酒 知られざるスペイン・ワイン』を探して読んでみることをお勧めします。所蔵している図書館も多いようなので、問い合わせてみるとよいかもしれません。

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中瀬航也著『シェリー酒 知られざるスペイン・ワイン』

スペイン語ウエルカムなら、シェリーの秘密を紹介する特集番組が観られるヘレス原産地呼称統制委員会サイトを覗いてみてね。日本人のベネンシアドールに言及する場面もあってなかなか興味深いです。

そのほか日本シェリー委員会のサイトでもシェリーについて学ぶことができます。

おまけ

英国をはじめ西洋諸国の殿方に愛されてきたその奥深い魅力を、わたしなどは語る言葉もないので、バル・デ・オジャリア銀座店の壁に掛けられていた文豪メリメの言葉を写真のまま引用させていただきます。

メリメとシェリー1000

法律学を修め、多くの外国語を学んだフランスの作家プロスペル・メリメ。スペインを舞台にした名著『カルメン』(1847年)は、彼の考古学と歴史、神秘主義への傾倒の賜物でしょうか。そのメリメも、シェリーにぞっこん。シェリーはもはや文学。殿方の心を酔わせるお酒なのですね。ちなみに、メリメの言葉に登場する「ボアブディル」とは、スペインイスラム王朝最後の王の名前。「宮殿」はグラナダのアルハンブラ宮殿を指すのでしょう。

さて現代では、2013年最優秀レストランに輝いたジローナのレストラン「El Celler de Can Roca」のソムリエ、ジョゼップ・ロカJosep Rocaが、「幸せのレシピ receta para la felicidad」の「材料」に「オロロソ」を挙げています。

La receta de Josep

1 domingo soleado
1 paseo por las viñas
4 artículos que leer
1 mesa familiar para 8
….y una copa de vino oloroso

<ジョセップのレシピ>

晴れた日曜日
ブドウ畑の散歩1回
読みたい記事4つ
8人がけの、アットホームな食卓ひとつ 
そして、オロロソ1杯

出典/La receta de Josep, ヘレス呼称統制委員会サイト

名店「カン・ロカ」三兄弟のひとりにとって、幸せになるためには
シェリーは欠くべかざるもののようですね。

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