『ドレのドン・キホーテ』を読みました

以前、何度かトライしては挫折した世界の名作『ドン・キホーテ』。今度こそとトライしたのは、宝島社『ドレのドン・キホーテ』です。訳・構成はマルチクリエーターの谷口江里也氏。軽妙な訳と構成で、400数十ページたらずでまとめた、セルバンテスの名作『ドン・キホーテ』です。

ドレのドンキ表紙800

ドン・キホーテとはどのような騎士で、サンチョ・パンサとはどのような家来かが理解でき、またスペインのその時代、つまり16世紀終盤から17世紀初頭にかけての様子がわかるような名訳でした。
『ドン・キホーテ』は、ご存知の通り、自分を正義の味方、誇り高き騎士と信じ、騎士道を磨くために旅に出る物語です。夢見る中高年郷士の「生きる哀しみ」や「生きる喜び」がないまぜになった奮闘劇は、周囲に「迷惑」と「笑い」をまき散らし突き進みます。テンポ良く美しい文章は、まるで滑舌のよい講談。あっというまに完読でした。

訳者の谷口江里也氏は、あとがきで、『ドン・キホーテ』を構成している「もうひとつの魅力」を「極めてスペイン的で、これを読めばスペイン人が分かるといってもいいほど」と書いています。さらに、スペインに長く住んだ谷口氏は、スペイン人についてふれ、「情に厚いが忘れっぽく、彼らの中には強さともろさ、積極性と怠惰などが脈絡もなく同居していて、本人はそのことに矛盾を感じる気配すらない」とコメント。あれれ? まさにドン・キホーテ! 
 

ドレのドンキ見開きア800

挿絵は、タイトルにも付けられているように、ギュスターヴ・ドレ(1832〜1883)の画。躍動感に満ちた繊細なタッチは、セルバンテスのストーリーをさらに楽しく読ませてくれます。

ドレのドンキ見開きイ800

一度は読まなくちゃ、と思っている人にも、さまざまな文化を吸収し成長する中学生位の子どもにも、ぜひ読んでもらいたい一冊。素敵なプレゼントにもなりそうです〜。

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