イシアル・ボリャイン監督

先日、ベルリン映画祭が開催されました。
カンヌと並んで、小粒でも輝きのある作品を発掘することで知られる権威ある映画祭です。
毎度のことながら、気になるのはスペイン映画の受賞ですが、今回は、マドリッドの監督イシアル・ボリャイン女史の『También la lluvia(Even the Rain )』が、パノラマ賞を獲得しました。

『También la lluvia』は、2000年にボリビアで起こった実際の事件をベースにした力作です。
ボリビアのコチャバンバという村で町の機能が麻痺するほどの市民運動が起こりました。発端は、法外な水道料金の値上げ。
300%(ほんとかいな?)という値上げに抵抗した住民たちは、水道水の利権とインフラを独占するアメリカ企業を相手に立ち上がります。折しも、コロンブス新大陸発見の映画のロケ隊がコチャバンバに入ろうとする矢先…
大航海時代に象徴される、搾取される原住民対、搾取する西洋人の構図は、500年の時を経ても、貧しい地域住民対、巨大な北米企業、とほぼ変わらぬまま、現代の黄金、「水」を巡る抗争になったといわれています。

『También, la lluvia』は、劇中劇が織り込まれた、500年の時を隔てた2つの時代を行き来するストーリー。
ダイナミックな脚本は、Paul Laverty。彼は社会派ケン・ローチ監督の作品を多く手がける脚本家であり、監督イシアール・ボジャインの実生活のパートナーだとか。

監督イシアル・ボリャインの映画は処女作しか観ていないので、明確な感想はないのですが、日常を描くヒューマニズム派の監督と認識しています。監督のインタビューでは、今回の映画について、抵抗のストーリーです、とコメント。
ご興味があれば、下記スペインテレビwebサイトをどうぞ。

俳優陣は、ボリャインの監督デビューと時期を同じくしてスペイン映画界に現れ、10年ほどでスペイン映画祭では常連となってしまった、俳優ルイス・トサールが映画プロデューサー役で主演。また、実力派メキシコ人俳優ガエル・ガリシア・ベルナルが映画監督役で出演しています。
ぜひとも観たいのですが、はたして日本劇場公開はあるのかどうか・・・。
ニュースも少なく、暮らしの様子も見えにくい南米ですが、混沌とした歩みの中の切実な声には、知るべき現実があるように感じます。ときには耳を傾けることもよいのでは?

http://www.rtve.es/mediateca/videos/20101231/dias-cine-tambien-lluvia/977505.shtml

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