ブラスコ・イバーニェスの小説『われらの海』

このところ、以前に読んだ『われらの海』(岩波文庫)を読み返しています。1918年に書かれた文豪ブラスコ・イバーニェスVicente Blasco Ibáñezの『MARE NOSTRUM』です。

苔玉800

第一次世界大戦を題材にした上下2巻。ギリシャ神話や自然、当時のバレンシアやバルセロナの暮らしの描写、繊細な心模様が軽やかに溶け込んだ素晴らしく面白い小説です。
永田寛定氏の時代がかった訳も講談のように味わい深く、地中海を闊歩する船長ウリセスと謎の美女フレーヤのロマンスのくだりは息つく暇もありません。

地中海をまたにかけた、この「冒険小説」を、SF小説の大家、筒井康隆氏が、いつだったか、好きな小説の一冊に選んでいて、とても感激しました。「変わったもの好きなんだね〜」などといわれ続けて来たわたしは、ほら〜先生も好きだったよ、とひとりほっとしたものです。