バルセロナの修道院サン・パウ・デル・カンプ SANT PAU DEL CAMP

バルセロナ・ラバル地区El Ravalの懐奥深く、観光客にはほとんど知られていない修道院ラ・モナステリオ・デ・サン・パウ・デル・カンプ La monasterio de Sant Pau del Campがあります。バルセロナでは希少なロマネスク様式。小粒ですが大変魅力的な修道院です。

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一番の見どころはアラブの影響が見られる回廊 El claustroです。独創的なアーチの建造は12世紀ごろとされています。歴史的にみれば、キリスト教徒たちは12世紀前半にはエブロ川以南に宿敵アラブを駆逐しています。それにもかかわらず、敵の装飾を宗教的建造物に盛り込むとは・・・。当時の人々がどれだけアラブ芸術に傾倒していたのかと驚かされます。

アーチを支える柱頭装飾には、植物文様を基本に、ライオンや鳥、馬、また猛獣と戦う戦士もいきいきと浮き彫りにされています。古代ギリシャの移行期に見られる装飾や、ロマネスク様式の想像上の動物、また聖書に登場する事物などと解説されています。風雨に堪えて残る、スペイン・ロマネスクの真骨頂ともいうべき柱頭芸術は見逃せません。

現在の外壁はおおむね13~14世紀のカタルーニャゴシック建築による再建ですが、エントランスの柱頭には西ゴード時代の特徴といわれるメダルの装飾(サイトを開き、写真をクリックするとメダルが見えます)があり、教会の創立は西ゴート(5〜8世紀)の時代にまで遡るのかも?というロマンを秘めています。

一千年以上の時を重ね、いまなおバルセロナの街中に佇むラ・モナステリオ・デ・サント・パウ・デル・カンプ La monasterio de Sant Pau del Camp。かなり渋い選択ですが、以前に紹介したバルセロナ5つの観光スポットとともに、ぜひとも立ち寄ってほしい個人的イチオシ名所です。

サン・パウ・デル・カンプについて歴史的背景を加え詳しく解説している建築家のブログ「スペインの歴史・建築・風景」はこちら。なるほど、と納得します。

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