カステル・デンクスの THALARN 2010 を飲みました

スペイン屈指の銘醸Torresの元CEOであるラウル・ボベ氏Raül BobetがD.O.コステルス・デル・セグレで営むワイナリー「CASTELL D´ENCUS カステル・デンクス」のワインを試飲しました。白は「エカム Ekam 2011」と「タレイア Taleia 2011」。赤は「タラルン THALARN 2010」。

「エカム Ekam 2011」は、明るいわらの色。爽やかなフルーツの香りが食欲を刺激します。グラスを傾けてみると、ピーチ系の風味に、舌にぴりっとくる微発泡。柑橘系も感じられる好ましいやわらかな味。おいしい〜。

エカム450

「タレイア Taleia 2011」は涼しげなイエローグリーン色。バニラや土、ミネラルの香り。酸味は少なく、さまざまな風味が複雑に織り込まれた味。ポテンシャルを感じさせる白ワインでした。一部は新樽で発酵後、シュール・リー熟成。残りは小容量タンクで醸造。瓶熟5カ月。

タレイア450

「タラルン THALERN 2010」は、濃いボルドー色。プルーン、ブラックベリーにクローブの香り。白ペッパーの風味にしっかりとしたボディ。爽やかでエレガント。開くというのでしょうか、変化が大きく、最初はスペインワインらしさがあるのですが、時間とともに薄れていき、余韻が長く続くとても優美なワイン。こんなスペインワインがあったのか~と感動してしまいました。岩、オーク樽、ステンレスのタンクで発酵させたものをブレンド。マロラクティック発酵後、フレンチオーク樽で13カ月熟成。パーカー95点、ペニン96点(!)

タラルン450

カステル・デンクスのブドウ畑は、ピレネー山脈まで数十キロのカタルーニャ内部の山地、標高800~1000mの地。標高や緯度、昼夜の温度差や雨風の向き、そして土壌にもこだわり、ラウル・ボベ氏自ら探し出した土地だそうです。目指すのは「冷たさのあるエレガントなワイン作り」。

栽培しているブドウの種類は、ピノ・ノワール、リースリング、ソーヴィニヨン・ブラン、セミヨン、アルバリーニョ、ルーサンヌ、ガルナッチャ・ブランカ、シラーなど多彩。殺虫剤、化学肥料は一切使わずオーガニック栽培で実った自家製ブドウだけを使い、「テロワール(土壌)」をいかした白2種、赤3種のワインを造っているそうです。

『ヴィノテーク No.382 2011.9』によれば、カステル・デンクスのある一帯は「世界中の地質学者が研究にやってくるほどの地質の宝庫」。さらに、この土地では12~18世紀、十字軍をルーツとする騎士修道会の修道僧によるワイン醸造が行われていた記録が残っています。その当時の、岩をくりぬいて作られた発酵槽が発見されたのを機に、研究心旺盛なボベ氏は、修道僧たちの醸造法に習ってワイン造りの一部に岩の発酵槽(=クプス)を取り入れているのだとか。「(岩の)隙間に酵母が生きていて、ワインには森の下草のアロマやスパイシーさが表現される」のだそうです。1千年近く昔の熟成方法に還ることで、辿り着けなかった「表現」が加わるのかと思うと、なんだかロマンチック。ワインは、自然と科学と情熱の賜物なのだな、とつくづく思いました。スペインワインの最先端に触れた気分です。

カステル・デンクスは、ラウル・ボベ氏が心底納得するワインづくりを求めて、ブドウ栽培のための土地を探しはじめた2001年よりスタート。カタルーニャの懐奥深くで、自然との対話を重ねる様子は、カステル・デンクスのホームページの「Filosofía」のページに写真とともに紹介されています。岩の発酵槽(=クプス)を使った「足踏み破砕」の様子も出てくるので、ぜひ覗いてみて。

❖deta❖

Ekam 2011

12.5% Vol.

リースリング85%、アルバリーニョ15%


Taleia 2011

13.2% Vol.

ソーヴィニヨン・ブラン80%、セミヨン20%


THALERN 2010
13.1% Vol.

シラー100%



D.O.Costers del Segre
CASTELL D´ENCUS

■取扱い店ワイナリー和泉屋