電子書籍

先週、日本でもキンドルが発売されました。
キンドルとは、電子書籍端末の名前だけかと思っていたら、amazonの電子書籍配信サービスもkindle(ストア)と呼ばれているのだとか。
ちんぷんかんぷんです(笑。

電子書籍の代名詞ともいえそうな、キンドルの上陸に、逆らいがたい時代の流れを感じて、ひとしきり複雑な思いでいましたが、スペインの友人が、その kindleストアから小説を出したと聞いて、さらに複雑な思い。
いや、これは喜ばしいことです。

というわけで、今回は発表したばかりの、彼女の小説をご紹介します。
タイトルは『La Puta y El Carrusel(売春婦とメリーゴーランド)』。

友人から受け取ったあらすじを簡単に訳すと、、、
主人公テレサは、バスク・ナバーラのピレネー山脈の寒村に住む初老の女性で、樫の木の下に座り、孤独な午後を過ごすのが日課。
樫の木に向かって語りかけられるテレサの話から、その村で実際にあった出来事が少しずつ浮かび上がるという筋書き。
スペイン市民戦争からピレネーを越えて向こう側、つまりフランスへ逃げた人々のことをや、フランコ政権から逃れる共和主義者たちのこと、
また、ナチスが蔓延するヨーロッパから、ピレネーを越えてこちら側に逃れてきた人々のことなど。
夫とともに慎ましい暮らしを営んでいたテレサはあるとき、ピレネーを越えてやってきたナチス兵と恋に落ちます。
それは穏やかな人生に光と影を呼び込むことになるのでした。。。

友人によれば、本の内容は、タイトルからは想像もつかないもの。
登場人物に起因するドイツ語とスペイン語の言葉の「誤解」から生じたタイトルなのだそうです。

ヨーロッパ間は、思うよりもずっと近くて、そして複雑なのですね。
重ねられた歴史に縁取られた映画や物語に接する時、歴史を知っていればもっと深く感銘できるだろうにと残念に思うことがあります。
反対に、魅力的な映画や小説から歴史の真実が知られることもあります。

彼女の書くスペイン語は明快で、歯切れがよく、多分日本人にはとても読みやすいはずです。ぜひあなたも、adelante!

それにしてもこのアマゾン電子書籍。
出版業界を騒然とさせる、一冊190円という安さ。
時代の流れに付いて行けないどころか、逆流傾向のある私としては、電子書籍をダウンロードしたことに、来るべき一時代を認めてしまったような、とても複雑な驚きを感じています。

PalomaYB
『La Puta y El Carrusel』

amazon日本版
『La Puta y El Carrusel』

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