バルセロナ日曜の夜のゴシック街 その1

予定のない日曜日の夕暮れ。あてもなく、プエルタ・デ・アンヘル通りAv.Portal de l´Angelへ。この先には好きな店、ZARA HOMEやマッシモ・ドゥティmassimo duttiがあるのですが、日曜日なので休みです。

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平日昼間のプエルタ・デル・アンヘル通り

ふと、初めてスペインを旅した時に泊まった安宿のあるコンタル通りC/Comtalへ入ってみました。人もまばらな通り。昔はひとり旅が大好きだったのに、最近は寂しいな~、なんて思いはじめ、かろうじて開いていたパン屋で夕食を買ってアパートへ帰ることにしました。凹んでいたのでしょうね、ショーケースを眺めていると、パンを買う順番からもはみ出ていました。ふ〜とため息。あきらめて外に出たのですが、そこからでした。すてきなことが待っていたのです。

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その道はライエターナ通りVia Laietanaにぶつかります。ライエターナ通りにでると薄暗がりの中、光に照らし出されたカテドラル広場が見えました。虫のように光に吸い寄せられて広場へいくと、大聖堂はライトアップされ、たくさんの人たちが思い思いにたたずみ、またベンチに腰掛け、暮れ果てるひと時をすごしてしていた。

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カテドラルの中ではミサの最中。大聖堂は荘厳で美しく、側廊に並ぶ小さな祭壇にも明かりが灯り、市民や観光客たちの祈りが満ちているようです。カタラン語のミサは長く続き、やがて女性独唱の聖歌が始まりました。祈りの場とは不思議なものです。クリスチャンでなくても、気持ちを整えてくれるのですね。

すっかり浄化された気分でカテドラルをあとにし、あてもなく石畳の小道を入ってみると、ジャズの演奏が聞こえてきました。大道芸人のグループが奏でるスウィングに、大勢の人たちが立ち止り聴き入っています。

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その時にその場に居合わせる奇跡、とでもいったらいいのか。ゴシック地区の忘れ去られたような空間で、思いがけず美しい音楽に出会いました。その場の誰もが感じていた、深い静かな感動を壊したくなくて、写真は撮りませんでした。そして誰一人写真を撮る人はいませんでした。写真でも伝えきれない感動というものがあることを、しばらくぶりに思い出しました。素晴らしい時間でした。過去も未来もみんなすっとぶようなそんなひととき。

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心地よい音楽を背にして、サン・ジャウメ広場Plaza de Sant Jaumeに向かう小道の写真を撮りました。写真の中に、心のふくらみが映り込みますようにと願いながら。ん〜、ダメか(笑。

いまでも思い出します。その一時間ほど前、パン屋の順番からはみだしてさらに凹んでいた自分を。先のことはわからないものですね。

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