辺境地区小学校の先生だったAとの再会 その2

13年前といえば、AとAのダンナさんは、(ほぼ)同じ種類のカステリャーノ(スペイン語)を母国語とする南米チリに移り住んでいた頃でした。

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数年後、彼女は念願だった娘ふたりのママとなり、バルセロナへ連れ帰ります。スペインの経済危機を経てAは教師に復帰し、彼女のリラクゼーションでもあった創作活動はお休み状態。娘たちは成長し、Aは母親としても悩む時期を迎えていたようです。

わたしたちはバルに腰を下ろし、夢中になって話をしました。なにしていたの? 元気だった? 更年期はどう? ヨガをはじめたよ。などなど。。。

Aも、わたしやほかの多くの女性同様、つまずいたり、落ち込んだり、そういったことを一通り経験していたようです。けれども、具体的な悩みや深層部についてはおたがい触れることはありませんでした。

話の流れから、心の「コリ」をこんなふうにほぐしたよ、という興味深い体験談がAの口から飛び出しました。バルセロナで禅道場を体験したというのです。バルセロナの禅道場!??

結果から話しますと、1週間の禅合宿のあと、Aはまるで細胞が再生されたように「頭が軽くなった」そうです。

どんなメニューを行ったのかというと、1週間の禅合宿の間、つい立てで区切られた部屋で、たったひとり1日中瞑想するのだそうです。師(日本人)が瞑想のテーマ与え、そのことだけを考えるのだそうです。道場に持ち込めるのは楽な衣服だけ。本もノートも鉛筆もダメというハードなものでした。

Aは道場で出された瞑想のテーマのひとつを教えてくれました。それは「母親との思い出」でした。

一番古い記憶までさかのぼり、母が「してくれたこと」をひとつひとつ順番に丁寧に思い出すのだそうです。ゆっくり順番に最近までの「してくれたこと」をできるだけすべて克明に思い出します。そのときに大切なのは「してくれなかったこと」を数え上げないことだそうです。

偶然聞かされた経験談に驚きました。わたしの探し続けていたものかもしれないと直感したからです。ちょっとしたシンクロニシティ。

わたしはさっそく帰りの飛行機の中で、例えにあげられたテーマ「母親との思い出」を使って瞑想を試してみました。それは不思議な体験でした。長年抱えていた悩みが、滂沱の涙とともにたちどころに消えてしまったのです。

後日、Aにあなたの瞑想の話はまるで啓示のようだった、長く抱えていた悩みが解決した、とメールで伝えると、
「人生に偶然はないのよ」というAらしい返事。

長くなってしまいましたが、こんなふうにバルセロナを訪れると不思議な出来事に出合います。たぶんそれは、わたしにとって不思議というだけで、たわいのないものかもしれません。けれどもヨーロッパや世界各地から大挙して訪れている旅行客を見ていると、太陽やおおらかな人々、地中海料理やおいしいワインにとどまらないなにか不思議な力があるからではないかないかしら?なんて思います。

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