『バルセロナのガウディ建築案内』を読みました!

バルセロナといえば人気の観光の街。その中心となっているのがガウディ建築です。一目でそれと分かる唯一無二の造形美ですが、実物は写真を軽々と上回る魅力に満ちています。というのも、ありがちな、フィルターやパースをかけた撮影技術のマジックをはかるかに越えた揺るぎない存在感がベースにあるのだと思います。

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そんな存在感がどこから来ているのか、そしてどの部分に結実しているのか、美しい写真とともにわかりやすく教えてくれるのが、先日発売されたばかりの『バルセロナのガウディ建築案内』(平凡社 コロナ・ブックス 丹下敏明著)です。

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著者は研究会を主催するなど、その道では知らぬ人のいない丹下敏明氏。有名建築事務所のスペイン代表を務め、92年バルセロナ・オリンピックのメイン会場となった「パラウ・サン・ジョルディ」の建設に参加するなど豊富な現場で指揮をとってきた建築家でもあります。その建築の知識と長年にわたり収集された資料から綴られたのが、『バルセロナのガウディ建築案内』。ガウディ建築はもちろん、いままであまり知られることがなかったガウディのひととなりや作品のバックヤードまでを生き生きと浮かび上がらせています。ガウディ建築をひとつひとつ案内しながら、世紀の天才建築家アントニ・ガウディをあぶり出す、いわば「ガウディ・カルト・ブック」です。

たとえば、連続する白いパラボラアーチで知られる「サンタ・テレサ学校」の造りが「質素」であることや、「ローコスト」の中に豊かな内部空間を造っていること、細部に施された飾りの意味などが解説されていますが、経験に基づいた具体的な解説はとても興味深いものです。建造物のディティールやバックボーンを知ることによって、いままでは記号ほどの意味しかなかったものが、はじめて意味を持つものとして立ち上がってくることに驚かされます。なるべくしてなった理由が理解でき、ただの静物であった建物がさまざまな感情と運命の交差路として成り立っていることに気づくはずです。

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また、バルセロナ郊外の「コロニア・グエルの地下聖堂」が、なぜ地下聖堂となったかという経緯や、その建設を依頼したガウディの最大のパトロン、エウセビ・グエルの理想、歴史的背景など、丁寧に差し出されたパズルを読み取ることで、当時の状況が網の目のようにつながりながら立体感を帯びるのです。

そしてもうひとつ、『バルセロナのガウディ建築案内』が気づかせてくれるのは、建築物の周辺事情を巻き込んで膨らんだりしぼんだりする、ふくよかで温かな血の通った建築というものの面白みです。ガウディに憧れ、海を渡り、40年近くバルセロナに暮らした著者の「視点」に由来するものなのでしょうか。ページが進むに連れて、当時できてまもない新市街地アイシャンプレ(アシャンプラ)を足早にゆく「ガウディおじさん」の姿が見えてくる、そんな楽しみも味わえます。

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