『ロバート・キャパ/ゲルダ・タロー 二人の写真家』展

先週の土曜日、気になっていた『ロバート・キャパ/ゲルダ・タロー 二人の写真家』展を観に行きました。

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ロバート・キャパといえば、スペイン市民戦争。戦場カメラマンとしての第一歩を華々しく刻んだのが1930年代のスペインでした。
キャパが内戦に密着した2年間、彼の写真とともに当時のスペインを知りたくて横浜まで出掛けてゆきました。

いままでも何度か開催されてきたキャパ展ですが、今回、光が当てられたのは、戦場で命を落とした恋人ゲルダ・タローの、恋人を越えた役割です。

キャパと出会い、写真の魅力に取り憑かれたゲルダは、(たぶん上から覗くタイプの)カメラ、ローライで戦場の写真を撮るのですが、どこかその先の(もしくは、その前の)ストーリーを感じさせるキャパの写真とは対象的に、反ファシズム的立場を明確に示した広告的ともいえる、たくましい写真を数多く撮りました。対象に肉薄する情熱は、短命に終わった彼女の燃えさかる心の炎にも思えます。

そのゲルダとキャパがともにプロデュースしたのが、写真家「ロバート・キャパ」。ふたりの写真は、ひとりの写真家「ロバート・キャパ」のものとして、区別されることなく世に発表されてきたようです。

今回の展覧会は、ふたりの写真を分けて展示することで、視点や物事を表現する切り口の違いから写し出される一瞬の違い、さらには浮かび上がる撮る人の本質という、写真の不思議についても解説することに成功していたように思います。

ともに危険をくぐり抜けながらシャッターを押し続けた、ゲルダとキャパのスペイン内戦。深い傷跡を残した市民戦争の惨い実像に迫る写真展は、今週24日まで。

横浜美術館

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