実験ドキュメンタリー『El Somni〜夢の饗宴(エル・ソムニ)』

視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚の5感を刺激する「食」。皿の上に紡ぎだされる「料理」自体、ひとつの小宇宙だと思うのですが、その小宇宙に、さらなるディメンションを融合させてみようという実験ドキュメンタリー「El Somni〜夢の饗宴(エル・ソムニ)」(2013年、フランク・アルー監督)。第11回ラテンビート映画祭のオープニング作品として紹介されました(2014年9月)。

「EL BULLI エル・ブジ」と同じコスタ・ブラバ、古都ジローナの「El Celler de Can Roca エル・セジェール・デ・カン・ロカ」がイギリスのガストロノミー雑誌で世界最高峰レストランに輝いたのが、2013年。映画「エル・ソムニ」で、その名店を支えるロカ3兄弟が「料理」の可能性を模索します。「感動」だけではなく、「感情」を引き出すというもくろみ。さて、いかに?

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ⓒEl Somni

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地中海コスタ・ブラバCosta Bravaの小さな入り江へ

夏の避暑地としてヨーロッパから多くのバカンス客を集める、スペイン・カタルーニャ北部の海岸コスタ・ブラバCosta Brava。海岸に隣接する村はたくさんありますが、その中でひとつ、お気に入りを挙げるなら、バグール(ベグールBegur)です。魅力的で多彩なビーチへのベース地として、カップルにも家族連れにも女子グループにも人気の村です。

バグール浜1000

古城のある丘の麓に佇むバグールの集落からは、サ・トゥナsa Tunaやアィグアフレダ Aiguafreda、サ・リエラsa Rieraなどの隠れビーチはすぐ近く。豊かな自然に囲まれ地中海を見晴らす傾斜地には、フラメンコの伝説的大バイラオーラ(踊り手)カルメン・アマヤCarmen Amayaの夏の家がありましたが、いまも残っているのでしょうか。

バグール浜子ども500

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絵のような村パルスPalsを散策する旅

パルツ小道

ジローナ県プボルPúbolの「ガラの城CASTELL GALA DALí」から18キロほど東にあるパルスPalsは、石畳の小道や石積みのアーチ、城壁やロマネスク様式の塔など、古い町並みが見事に保存された絵はがきのような村です。歴史的佇まいに魅せられ、毎年のように訪れるバルセロナっ子も多く、コスタ・ブラバCosta bravaエリアでも有数の名所ではないでしょうか。

パルツ門扉

小さな村の中にも旅慣れた客を迎い入れる贅沢なホテルがあります。石積みの家をそのまま使いシャワーやトイレなどの水回りだけをお洒落にリノベーションしたホテルを一度見せてもらったことがありますが、憧れてしまいました。ハイシーズンになるずっと前から予約でいっぱいの、そういったホテルをひやかしながらの散策も楽しそうです。

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Ella baila solaの夏休み

1990年代に、スペインのバルセロナに住んでいましたが、それも近頃では、遙か昔のことのように思えます。情け容赦のない現実に巻き取られ、そんなことを懐かしく思いかえすことも忘れていた今日この頃。

7月に入り、バルセロナの友人からは、「これからメノルカ島へ行って、後半はドイツに行ってくる」といったバカンス告知メールがパラパラと届きます。いろいろと世の中が変化し、「休みは秋にとることにした」という友人もいますが、それでも、6月中頃から9月いっぱいまでのほぼ半ドンの就業時間と、1カ月程のバカンスは今もって健全らしい。うらやましい限りです。

スペインのバカンスといえば、子供の頃の「夏休み」のイメージに近いのではないかと思います。もう少し具体的に言うと、多くの人は、とりあえず建設的なことはしない、のではないかなと勝手に思っています。
 
おそらく、そのイメージの軸となっているのが、カタルーニャの夏の思い出。毎年、仲良し4人グループで飽きもせずに出かけたのがコスタブラバのバグールBegurという村で、6月24日のサン・フアンの祝日を皮切りに、ひと夏に最低でも2、3回出かけてたのを思い出します。

誰かがどこからか見つけ出した安宿を定宿とし、毎朝同じパン屋のカフェへ行き同じメニューを頼み、新聞とゴシップ誌を買い、のんびりと朝食をとり、昼頃になるとようやく近隣の入り江のどこかへ行くのだけれど、結局、場所をカフェからビーチに移すだけで、やっぱりなにもしません。

冗談をいい、流行の話を始め、眠ったり、泳いだり、笑ったりして、夏の一日は過ぎていきます。目的もなく漠然と過ぎていくのですが、それがひたすら平和で幸せで。

バグールを後に家路につく頃は、夕日が空を染めるのを見つめながら、当時流行っていた女の子のデュオ、エリャ・バイラ・ソラElla baila solaのカセットテープをひたすら聴き歌いました。なにしろ「カセットテープ」だった! その他には、アナ・ベレンとマヌエル・セラット(?)の国民的アルバムのテープ(笑。 そして、そういうときには、あまりに満ち足りた気分になるせいか、わたしは後ろのシートに身を沈め、こっそり泣いたりもしました。
 
なつかしのElla baila solaをyoutubeで見つけたので聴いてみたら、過ぎていった夏がつらりつらりと思い出されて、なんとも言いがたい気持ちに・・・。歌は「Lo Echamos a Suertes」。「運にまかせて」みたいな意味になるのかな?

彼女たちの歌は歌詞もとてもいいのです。いつか機会があったら訳してみます。。。